韓国の塩田で採れた塩

田塩(でんえん)

 

韓国には今でも塩田が残り、職人が丹精込めて塩を作っています。

塩田で採れる塩の栄養価は抜群だと聞いて、全羅南道の塩田村に行ってきました。

 

塩田では海水と天日のみで塩ができます。

田んぼに海水が運び込まれ、太陽の力で水分を蒸発させます。

ある程度まで濾すと、水路を開けて次の田んぼへ海水を流す。

その作業をなんと14回も繰り返し、そうして段々と塩を結晶化させるのです。

その間に機械は一切使われず、すべて職人の手作業。

塩の結晶には栄養だけでなく、気合が籠もっているのです。

 

「田塩」の特徴は、甘み。

塩の味なんてわからないよ、と言う人でも、舐めてみると「甘い!」と驚きの声を挙げます。

大粒なこともあり、マラソンランナーがキャンディみたいと言って愛用しています。

ただ舐めてもおいしいと感じる塩。

料理に使えばなおのこと、そのおいしさを感じることができます。

 

「田塩」はかなりの大粒。

「どんな料理に使えるのですか?」とよく不安げに訊かれます。

ご安心ください。

大粒ながらもよく溶けるので、あらゆる料理に使えます。

強いて言うならば、魚にまぶすときに一抹の使いにくさを感じるくらいです。

すべてのお料理に、味のボトムアップとしてご活用いただけます。

 

 

「田塩」の販売に至ったきっかけ

 

韓国人は元気です。

この元気はいったいどこから来るのだろうと私は不思議に思っていました。

大きな要因として食事があると考えています。

韓国人は食事を薬と思っているらしく、強精剤のような食材を山ほど食べます。

ニンニク、ニラをはじめとする匂いや色の強い野草類。

仙人が好んで食べるとされる、木の実。

たっぷりと漬け込まれた発酵食。

「こんなものを食べていたら、元気でいられないわけがない」と韓国での食事の度に思います。

 

対して、元気がないと言われて久しい日本人。

原因は本当に色々とありますが、ひとつには食卓の荒廃が挙げられるのではないでしょうか。

韓国料理に見習える点はあるか。

トウガラシの食べすぎ、ニンニクの使いすぎなど個人的には韓国料理に疑問を持つ部分もあります。

しかし、韓国人が食事に命を賭け、実際にすごく元気だという事実は曲げられません。

 

日本人の精神性の深さは、食事から来る部分が大きいです。

例えば、トウガラシの韓国人とワサビの日本人と言われます。

ちょっとしたことで怒り狂う韓国人に対し、日本人は冷静沈着です。大地震が来ても我を失わない。

和食では食材を乱暴に炒めたりせず、ほのかな味付けに留め、

素材を損なわない形で「活きたまま」いただきます。

本来の和食は気を鎮め、人間性を育むのです。

では今の日本の食事で何が問題かというと、食材なのです。

野菜や肉など韓国の食材は非常に良質です。ものすごく豊かな力を感じます。

日本の食材は優秀かつ安心と思い込んできた私は驚きました。

韓国で感じた事実をもとによくよく調べてみると、日本の野菜は世界でも断トツで大量の農薬が使われ、

栄養も貧弱でやせこけているのです。

対して韓国の野菜はゴロゴロと不恰好ながらも身が締まり、味もはっきりとついています。

そういえば生まれてこの方日本の野菜に強い味を感じたことがない、と韓国で気づきました。

 

中でも驚いたのが、塩。

もともと塩にうるさかった私は、国内で塩探しに悪戦苦闘していました。

職人を訪ねに対馬や小笠原まで船で揺られたこともあります。

しかし韓国の塩田村で見つけた塩はそれらを遥かに凌駕していました。

甘いのです。

これまでに食べていた塩は、痛いほどにしょっぱかった。

ところが、体に染み入るような自然な甘み。

食材は理屈から入ると怖いということを身をもって知りました。

良いものは旨い!それ以上の真理はありません。

与えられた情報による思い込みではなく、素直においしいと感じる塩に感動しました。

 

もともと商用のためではなく、求道のために探していた塩。

そんじょそこらの塩とは本気度が違います。

私が知る限り、世界最高の塩です。

どうぞご賞味ください。

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